燃料 |
特徴 |
課題 |
HFO(重油) |
安価・高エネルギー |
環境負荷が大きい |
LNG |
CO?・SOx少ない |
インフラ・安全性 |
メタノール |
低公害・液体で扱いやすい |
発熱量が低い |
アンモニア・水素 |
CO?ゼロ |
安定供給・安全性・技術課題 |
バイオ燃料 |
再生可能 |
生産コスト・供給量 |
上記が一般的に言う燃料についてですが、実際には全ての船舶でGHG(温室効果ガス)の削減に向けての対策は現状では不可能と思われる。
従って以下は化石燃料の使用をベースに燃料の事を述べる。
燃料の特性・燃料油用温度-粘土図を以下に示す。
一般的に重油とはC重油とA重油に分類され、値段の安いC重油が一般航海では使用され、粘度及び値段の高いA重油は
機関の停止状態で使用される。
C重油は粘度が低い為、温度を上げないと常温では機関内で固まってしまう性質が有る為
粘性の高いA重油で停止させる必要が有る。
一般的に最近まで比較的大きいとされる船舶では50℃で380cStと言うC重油が使用されてきた。
主機で燃焼させるまでの燃料の流れ
1. 陸より船内の燃料貯蔵タンクにバンカーする
2. 燃料貯蔵タンクより燃料移送ポンプで汲み上げ燃料澄タンクへ上げる
3. 燃料澄タンクより燃料油清浄機で清浄した油を燃料油サービスタンクへ移す
4. 燃料サービスタンクより燃料供給ポンプにより各機関に供給される
・これで各機関の運転が可能と成る、ただそこには上の表にも有るように粘度を調整する必要が有り粘度を調整するには温度との関係が出てくる。
一般的に使用する温度を示す。
・バンカーされる燃料:40℃
・燃料貯蔵タンクでの保持温度:40℃〜45℃
・燃料移送ポンプで移送出来る温度:40℃〜45℃(ギヤーポンプの特性上運転可能粘度420cSt〜940cStとされている)・40℃で概ね800cSt
・移送ポンプで燃料澄タンク(sett. tank)へ
概略以下のような温度設定が望ましい。
最終的に機関入口で134℃を目標に計画する。
燃料についての最後に最近では国際航海をする船舶の硫黄分についての規則が出来ており、最高で0.5%と言う制限が設けられた。
従ってVLSFO:RMD80/RME180の使用が条件となっている。
次に燃料消費量について述べる。
燃料消費量は船を設計する上で、船主さんの一番重要な数値と成る(他には船速、積荷の容量等が重要である)
ここでは一般的な数値を示し、詳細は図面目録内の”燃料消費量”項目で示す。
仕様書の冒頭によく書かれている消費量として:
Daily fuel consumption based on heavy fuel oil of 40,600 kJ/kg low calorific
value
Main engine at CSO about 25.7 t/day
これは低位発熱量40,600kJ/kg(C重油ベース)で主機出力CSO(一般に85%出力ベース)で1日当り約25.7t燃料を消費すると言う表現です。
例えば:
主機出力MCO(100%):7,100kw
定格出力(参考は90%MCR):6,390kw
主機消費量(メーカー値, A重油ベース):159.1g/kw・h
CFO・低位発熱量:42,707kJ
AFO・低位発熱量:40,600kJ
以上より:
159.1*10^
-6*6,390*42707/40600*24=25.67≒25.7 t/dayと成る。